福井市内の釣具店「越前フィッシングセンター」に持ち込まれたサクラマスの数は5月に入って今シーズン500匹を超えた。
1シーズン平均150匹、当たり年と言われた2005年でも約240匹と、同店が統計を取り出した98年から12年間のうちで最も多い数となった。
4月26日には長野県の男性が74.5センチを釣り上げるなど型も良好だ。
九頭竜川中部漁協の岩本日出男組合長は「今年は雪解け水が豊富で、川の水量が増し、エサとなる川虫が多かったのではないか」と好調の理由を分析する。
サクラマスの稚魚放流は、同漁協をはじめ、産卵場の造成など九頭竜川の環境整備に取り組む釣り人の団体「サクラマス・アンリミテッド」、県水産課が行ってきた。
同漁協は約20年前から、サクラマス・アンリミテッドは1993年から2009年秋まで、同課は08年3月に放流を開始した。
一般的に、放流した稚魚は約2年で戻ってくるとされる。
今年は08年に放流した稚魚が回帰してくる年に当たり、それぞれの放流が重なったことも好調の背景にあるようだ。
またサクラマス・レストレーション事務局の天谷菜海さんは「サクラマス・アンリミテッドの場合、放流する稚魚の親がヤマメ同士だったが、県水産課が放流した稚魚の親は、サクラマス同士。
おそらく放流した稚魚のうち、サクラマスに成長したものが多かったのではないか」と話す。
坂井市の池田寿さんは今年4シーズン目となるサクラマス釣りに望んだ。
07年は1匹、08年と09年は0匹と苦戦したが、今年は圧巻の9匹のサクラマスを釣り上げた。
「サクラマスは引きが強く、かけひきが面白い。2月の寒い時期から釣り始めるから、修行のようなもの。修行したものだけが釣れた喜びを味わえます」と魅力を語った。
九頭竜川のサクラマスの遊漁期間は31日まで。
今週末、シーズン締めくくりの釣りに出掛けてみてはいかがだろうか。 |